キレやすく執拗だった織田信長、段どり・あとかたづけができなかった葛飾北斎、異常なまでにものを書きまくった南方熊楠、お金にだらしがなかった野口英世、際限のない欲望に駆られ働きつづけた中内功。彼らの伝記や日記を読み解くと、コミュニケーションや日常生活に独自の困難を抱えていたことは明らか。脳になんらかの機能障害があったのではないかと筆者は推測する。大切なのは、だからこそ彼らは「天才」たりえたのだ。「障害」の負の側面ばかりにとらわれ、才能を殺しがちの日本社会に必要な発想の転換。
「BOOKデータベース」より