ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』を俎上に、一人称の主体の解体と構築を試みた「ルイス・キャロル論」を始めとして、エラリー・クイーンやディクスン・カーなど、その名前をよく知られ、広く読まれてきた作家の論考だけでなく、著者が長年おこなってきた、ヒュー・コンウェーやバーサ・M・クレーなど、知る人ぞ知る作家の紹介・研究を集大成した画期的な評論集。また圧巻の、黒岩涙香翻案作品の原典探求も収録。今までなかなか触れられる機会のなかった英米古典ミステリの作家・作品に焦点を当てた、小森健太朗入魂の一冊。
「BOOKデータベース」より