2004年のカリフォルニア、豊かな家庭で甘やかされながら育つソル。1982年、レバノン戦争ただ中のハイファに移り住み、アラブ人の美少女との初恋に苦悩するランダル。1962年のトロントが祖父母に育てられ、自由奔放で輝くばかりの魅力に溢れる母に憧れる多感なセイディ。1944〜45年ナチス統制下のミュンヘンで、歌を愛し、実の兄亡きあと一家に引き取られた"新しい兄"と運命の出会いを果たすクリスティーナ-。世代ごとに、六歳の少年少女の曇りない眼を通して語られる、ある一族の六十年。血の絆をたどり、絡まりあう過去をときほぐしたとき明かされた真実は…魂を揺さぶってやまない傑作長篇。フランス・フェミナ賞、Prix France T'el'evision賞受賞。
「BOOKデータベース」より