著者、ステーン=ノクレベルグはノルウェー作曲界の重鎮、またピアニストとしても優れた業績を残し、とくに「グリーグ・ピアノ作品全曲録音」は、高い評価を獲得している。本書は長年グリーグの作品に親しみ、演奏を行なってきた著者が、その集大成としてピアニスト・学習者に向けて書いた演奏解釈の本である。生涯や芸術論をめざしたものではなく、学問的な分析を避け、彼が残した楽譜そのものに焦点を当て、演奏を通じてグリーグ自身の作曲法に迫ろうとしたものである。グリーグを知るための「道徳」ともいえる、ピアニストおよびグリーグ音楽研究者・ファン必携の貴重な本といえよう。
「BOOKデータベース」より