「いったい、ここは、どこなんだ!?」彼らは孤独に、それぞれ目覚める。そこは小さな部屋、あるのはベッドとパソコンだけ。居場所を把握するため、仲間探しのチャットが始まる。呼びかけに応じたのは、男女八人-。どうやら自分たちが迷い込んだのは、「恐怖の兜」をかぶった巨人の世界らしい。その正体は、牛の頭をもつ怪物ミノタウロス。そう、つまりこの奇妙奇怪な世界は、ミノタウロスの迷宮なのだ。そして彼らは救出の時を待つ。ミノタウロスを退治した、英雄テセウスを。しかしその脱出劇には…驚愕の結末が。現代ロシア文壇に異彩を放つ寵児ペレーヴィン。驚異的な空想と論理をもって一気に描ききる、テセウスとミノタウロスの迷宮神話。
「BOOKデータベース」より