山口博 著
平安時代の王朝貴族は、中国の歴史書から、舞楽から、見たこともないシルクロードを想像し憧れていた。『竹取物語』でかぐや姫が五人の求婚者に求めたものは、すべてシルクロードの産物であった。琴の秘曲伝授を中心に描かれる『宇津保物語』は、ペルシアへの漂着、生命の木など、オリエンタルな話題が満載された、アラビアン・ナイトのような物語であった。日本古来の文化によって成り立っていると思われがちな王朝物語を、世界史的観点で捉え直す。
「BOOKデータベース」より
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