「青年の国」ドイツとトーマス・マン : 20世紀初頭のドイツにおける男性同盟と同性愛

福元圭太 著

20世紀初頭のドイツにおいて「青年」たちは、来るべき時代の担い手として過度に賛美され、そこには一種の「青年神話」が形成された。トーマス・マンを始めとする多くの知識人は、タブラ・ラサとしての青年に自らの芸術的・政治的な夢を託した。それはまたファシストたちに関しても同様であった。「青年」においてこそ、この時代のドイツにおける「文学と政治」、そしてまた「エロス」のディスクルスが一身に交差していたのである。本書は、19世紀末からナチズムの台頭に至るまでのドイツで生成・発展していった「ドイツ青年運動」、並びに当時多くの読者を持った思想書や政治的テクスト、また文学テクストを分析の対象とし、「男性同盟と同性愛」を縦軸に、「文学と政治」を横軸に据え、従来の「エロスと文学」か「政治と文学」かという二者択一的な問題設定を横断する「エロスと政治と文学」の、特殊ドイツ的ありかたを明らかにする試みである。

「BOOKデータベース」より

[目次]

  • 第1部 「ドイツ青年運動」と文学(「ドイツ青年運動」-高貴と野蛮の縮図
  • 研究史と問題点
  • 文化批判
  • 学童悲劇
  • ヴァンダーフォーゲルと文学
  • 表現主義演劇と青年)
  • 第2部 トーマス・マンとハンス・ブリューアー(トーマス・マン-ホモエローティク-政治
  • ハンス・ブリューアーとその周辺
  • ホモセクシュアリティの理論 ほか)
  • 第3部 同性愛と政治のディスクルス(男性同盟とホモソーシャリティ
  • 「女性的なるもの」の位相)
  • むすびに代えて-「青年の国」ドイツ

「BOOKデータベース」より

この本の情報

書名 「青年の国」ドイツとトーマス・マン : 20世紀初頭のドイツにおける男性同盟と同性愛
著作者等 福元 圭太
書名ヨミ セイネン ノ クニ ドイツ ト トーマス マン : 20セイキ ショトウ ノ ドイツ ニ オケル ダンセイ ドウメイ ト ドウセイアイ
出版元 九州大学出版会
刊行年月 2005.11
ページ数 351, 28p
大きさ 22cm
ISBN 4873788897
NCID BA74580217
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全国書誌番号
20973068
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言語 日本語
出版国 日本
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