八月十五日の神話

佐藤卓己 著

八月一五日が来るたび、先の戦争のことが語られる。だが、終戦の"世界標準"からすれば、玉音放送のあった「八・一五=終戦」ではなく、ポツダム宣言を受諾した八月一四日か、降伏文書に調印した九月二日が終戦の日である。にもかかわらず、「八・一五=終戦」となっているのは、なぜか。この問いに答えるべく本書は、「玉音写真」、新聞の終戦報道、お盆のラジオ放送、歴史教科書の終戦記述などを取り上げ、「終戦」の記憶がいかにして創られていったかを明らかにする。「先の戦争」とどう向き合うかを問い直す問題作である。

「BOOKデータベース」より

[目次]

  • 序章 メディアが創った「終戦」の記憶(「八一五字の八・一五詔書」
  • セピア色の記憶-『北海道新聞』の玉音写真
  • 八月十五日の九州飛行機工場
  • 「玉音写真」がつむぎだす物語)
  • 第1章 降伏記念日から終戦記念日へ-「断絶」を演出する新聞報道(「終戦」とは何か
  • 勝者と敗者の終戦記念日
  • 創られる記憶
  • 「玉音の記憶」に根差す戦没者追悼式)
  • 第2章 玉音放送の古層-戦前と戦後をつなぐお盆ラジオ(聖霊月と「八月ジャーナリズム」
  • 玉音放送のオーディエンス
  • お盆ラジオの持続低音-甲子園野球と「戦没英霊盂蘭盆会法要」
  • 玉音神話と「全国戦没者追悼式」)
  • 第3章 自明な記憶から曖昧な歴史へ-歴史教科書のメディア学(国定教科書の混乱と検定教科書の成立
  • 「終戦」記述の再編
  • 記憶と歴史の対峙-一九六三年‐一九八一年
  • 歴史家=政治化する記憶‐一九八二年以降
  • おわりにかえて-戦後世代の「終戦記念日」を!)

「BOOKデータベース」より

この本の情報

書名 八月十五日の神話
著作者等 佐藤 卓己
書名ヨミ ハチガツ ジュウゴニチ ノ シンワ : シュウセン キネンビ ノ メディアガク
書名別名 終戦記念日のメディア学
シリーズ名 ちくま新書
出版元 筑摩書房
刊行年月 2005.7
ページ数 278p
大きさ 18cm
ISBN 4480062440
NCID BA7249379X
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全国書誌番号
20843991
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言語 日本語
出版国 日本
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