田んぼは、イネだけでなく、実にさまざまな生きものを育むビオトープです。田んぼは、栄養に富んだ水が浅く溜められた、生きものにとって快適な生殖、増殖、餌場環境だからです。永年、農家の手によって維持されてきましたが、圃場整備や稲作の早期化、農薬の使用、耕作放棄などで生きものが生息できなくなり、絶滅を危惧されているものも多くなりました。本書では、地域一丸となってコウノトリの野生化を目指す豊岡市や、荒廃した谷戸田にカエル、トンボ、ホタル、ドジョウなどを復活させた市民グループの例など、無農薬・減農薬で安心安全米を生産し、快適な地域自然環境の復元目指す、全国各地の実践事例を紹介しました。
「BOOKデータベース」より