地球上のすべての場所からまっすぐ南へ-。赤道を越え、南回帰線を越え、暴風圏のなかに潜む"海の断崖"を越えると、その先に極限の海、南極海が広がっている。先人たちが冒険のロマンを競った海であり、過酷だが清浄な野生が息づく、いのち豊かな場である。だが、海洋生物資源研究者として南極海の最前線で調査を続けてきた著者は、自然と生物のシステムの間に現われる様々な変化・振動から、地球規模の異変を感じ取らざるを得ない。高空から海の底まで、それは静かに広がっているようにみえるのだが…。現場からの手応えあるレポート。
「BOOKデータベース」より