近年、爆発的な人口増加や大規模な土地利用の改変などによる自然生態系への人為的な撹乱が地球規模で進み、生命史上かつてない速さで数多くの生物が絶滅の一途をたどっている。それに伴う生物多様性の喪失は、自然生態系の機能の低下だけでなく、未来資源としてかけがえのない生命情報の消滅そのものであり、人類にとって計り知れない損失をもたらしている-このような生物多様性の危機を踏まえて、生物多様性の創生・維持機構およびその生態系にはたす役割、さらに、生物多様性と人間社会の相互作用の解明をめざすのが、いま、注目を浴びる「生物多様性の科学」である。
「BOOKデータベース」より