本巻は、医学がもつ社会的側面を主として社会福祉学を専攻する山崎と公衆衛生学を専攻する瀧沢とがそれぞれの領域において可能な限り、広範かつ体系的に内容を精選し全体の骨格を構成し、「医療と社会」の全容をその視野に収めるべく編集した。そこで取り上げられた内容は、社会における医学のあり方や歴史、倫理的課題、医療と市民社会、医療の社会学的分析、医療経済、医療と法律、チーム医療など考え得る限り、理論的であるとともに具体的な内容を対象とした。特に意を用いたのは、医療の社会福祉的把握についての言及である。医療保険制度や医療費問題、社会福祉の今日的課題、在宅医療や在宅ケア、コミュニティケアなど本シリーズの目的である看護のあり方に直接関わる課題に相当の紙幅を割いた。
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