著者は、本書のなかで、「レジデンシャルワーク」は、他の多くの仕事に近似しているにもかかわらず、良くて直接的ケアの一タイプと見られていると主張する。すなわち、「レジデンシャルワーク」は、その中心的な側面として他者の身体的なケアを直接行う仕事と考えられているのである。施設に居住するということがこの仕事をホームケアとは異なるものとし、直接的ケアの必要性によって特別住宅やホテルの仕事とは区別される。したがって仕事上のアイデンティティや居住ホームで働く人々の訓練に対してもつ意味が検討される。さらに、著者はスタッフが訓練を必要としていると主張する。本書の議論は、まず第一に、人々とその環境を理解することが実践の改善につながるということ、そして第二にスキルは学習可能であるという前提に基づいている。さらに、スタッフはホームで生活している人々を大切にすることと、自分たちの仕事の重要性を認めることが基本となる。理論は実践の基盤となるし、またそうあるべきである。したがって、本書の中心的な課題はレジデンシャルワークに使われている諸理論を検討することである。
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