本書は、教師が直面するさまざまな問題に直接回答するものではない。むしろ、教師が問題に対する感受性を高め、そして多次元的な視点で柔軟に問題に対応することができることをねらって編集されたものである。学級経営の課題として、子どものリーダーシップを育てることや、いじめ・不登校、学級崩壊の問題などを、学習指導に関しては、思考力の発達とその育成の問題、発達障害や学習障害の問題、個人の特性や動機づけの問題などを取り上げている。さらに、子どもも教師も、保護者もストレスにより多様な悩みを抱えていることを理解し、教育におけるメンタルヘルスやストレス・マネジメントについても取り上げる必要があった。そして最後の章で、児童・生徒が自分自身を理解し、情緒の安定化をはかり、自分の人生に思いをはせて進路選択ができるために、教師にどのような支援ができるかを考えている。
「BOOKデータベース」より