量子論の基礎を築き、分子生物学への道を拓いた、20世紀の天才理論物理学者シュレーディンガー。その科学的見地は、根底の部分で、ウパニシャッド哲学などの影響を受けた独自の思索に支えられていた。なぜ、自分が感じること考えることには、別の人間と共通する部分があるのか-。人間の言葉や記憶や意識の発生過程を通して、彼は論じていく。個々の自我を形成している意識は、世界のすべてを包含する普遍的なものと一つに繋がっているのだ、と。哲学的思想を綴った「わが世界観」に、死の直前に記された「自伝」を併録する。
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