伝説的なスウェーデンの王、グスタヴ・アドルフ。彼の功績は、スウェーデン大国化の達成だけでなく、「近代軍隊の父」とまで称されるほどの軍事改革を行ったことである。しかし、語られる内容の中には、18〜19世紀の不確かな研究による誤解も多々含んでいる。彼がヨーロッパの歴史に多大な影響を及ぼしたことはまぎれもない事実だが、騎兵をとってみても「グスタヴの名声は騎兵によって培われた」という言い伝えと、「騎兵は役に立たなかった」という目撃者の記録は相対する。では、実際彼は何を創作し、そして実用化したのだろうか。本書は、上巻とともに、彼の行った軍事改革とスウェーデン軍の真実を明確化することを目的として編まれたものである。騎兵、砲兵を研究対象とし、上下巻を通じて得られた成果から結論を導きだしている。
「BOOKデータベース」より