なぜ地球上にはこれほどにも多種多様な生物がいるのだろうか。ダーウィンは、これらの生物には共通の祖先があり、それが長い時間をかけて変化してきた結果、この多様性が生まれたのだと考えた。そして、このような「変化」の原動力は自然淘汰であるとし、進化の理論を提唱した。現代の進化理論は、この自然淘汰の考えに、分子遺伝学をはじめとする生物学のあらゆる成果を取り入れて豊かになり、現代科学の重要な指導原理のひとつになっている。本書は、この魅力的な科学である進化の理論を、最新の成果をふまえて簡明に解説している。自然淘汰万能の立場ではなく、木村資生の中立説にも十分なスペースを割き、科学論との関わりや社会生物学論争にも言及している。
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