そもそも人を愛するとはどういうことだろうか?どうして愛は他者を所有しようとしてしまうのか?自我は所有の求めをどう実現しようとするのか?愛する者は自我と愛と所有のトライアングルのなかで、苦悩と哀しみを身にまとう-。愛わめぐる心の動きを桜井亜美や山田詠美などの小説やAYUの歌のなかに、あるいはR・バルト、J=P・サルトル、D・ヒュームなどの哲学思想のなかにさぐり、私たちの存在そのものの核心へと肉薄する。愛する者たちのありふれた感覚と思いによりそいながら紡ぐ、深い探求と刺激的な挑発に富んだ思索。
「BOOKデータベース」より