本書では、国際環境法の分野で比較的重要と思われる条約、すなわち海洋投棄規制条約、海洋汚染防止のMARPOL条約、オゾン層保護のウィーン条約とモントリオール議定書、原子力事故に関する二つの条約などについて、それぞれ成立の背景と概観と意義を述べている。これらの条約をみることによって環境の分野での国際法規制を概観することができる。第二部では、国際環境法の基本問題を扱っている。まず、事後救済法として、国家責任と民事責任を扱い、つぎに、事前防止法として、事前の通報および協議、環境影響評価、予防原則を扱っている。最後に、環境と密接に関連する分野として、多国籍企業に対する国家の管理、GATT/WTOを環境との関連で述べている。
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