本書は一般の医学書とは異なり、現代医学的診断と治療、鍼灸治療、リハビリテーション的手法、関節運動学的手法等が広範囲に取り上げてある。診断編においては、臨床家が日常で用いることのできる有効な身体所見の取り方に詳しい。また、頚肩腕痛に関する現代医学的検査方法の解説については、日常臨床の常識として役立つものである。治療編に関してはさまざまな方面からの臨床家の頚肩腕痛の豊かな経験や考え方が随所にみられ参考になる。治療技術というものは言葉による表現が難しく、その奥義が伝わりにくい。しかし、自らの経験が蓄積してくるとわかってくるものである。必ずや、勉強中の学生諸氏の頚肩腕痛の理解、そして頚肩腕痛に取り組む臨床家の一助に成りうるに違いない。
「BOOKデータベース」より