本書は、わが国で自然環境復元の市民運動、今日、ビオトープづくりの名で呼ばれる運動が膨湃として起こった1990年代の初期、それに応じる形で急遽執筆したものである。当時はまだ事例も乏しく、新聞記事に散見されるものの紹介、先覚的な何人かの学者や専門家の論文紹介などに止めざるを得なかったが、約10年を経た現在、ビオトープづくりに関しては無数ともいえる事例が現実のものとなり、規模内容ともに当時では予想できなかったほどに充実したものも各地に存在することから、本書の各章において補足的記述を行うとともに、最近にわかに活発化してきた学校ビオトープに関しては新たに章を起こした。
「BOOKデータベース」より