変貌する演奏神話

和田司 著

我々が聴くのは、つまるところ、批評意識としての現われとしての音楽なのであり、けっして音符の忠実な再現としての音楽なのではない。その意味で、優れた音楽家の演奏の歴史はもっとも優れた音楽の批評史である。演奏家は、世界でもっとも孤独な、そしてその孤独の中にこそ喜びを見出す批評家を、自身の内部に飼い続けなければならないだろう。孤独だと言うのは、彼等の自由は楽譜という必然によって縛られており、しかも演奏家という存在が華やかであればあるほど、彼等の内なる批評性はカーテン・コールの騒音にかき消されるからであり、喜びだと言うのは、その必然の中にこそ彼等の自由があるからである。音楽批評の新たな地平を切りひらく気鋭の論考。

「BOOKデータベース」より

[目次]

  • 1 指揮台の帝王学(フルトヴェングラー-時代精神としての音楽
  • チェリビダッケ-交響的還元のゆくえ
  • クレンペラー-越境する野人
  • ベーム-職人芸の明暗)
  • 2 鍵盤の憑依者達(グールド-よるべなき時代のモノローグ
  • ホロヴィッツ-臨界のピアニズム
  • ブレンデル-自問する風景
  • リヒテル-封印された自存)
  • 3 科学時代の神話(トスカニーニ-客観という名の迷宮)

「BOOKデータベース」より

この本の情報

書名 変貌する演奏神話
著作者等 和田 司
書名ヨミ ヘンボウスル エンソウ シンワ : 33カイテン ノ セイシンシ
書名別名 33回転の精神史
出版元 春秋社
刊行年月 2000.7
ページ数 258p
大きさ 20cm
ISBN 439393752X
NCID BA48339352
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全国書誌番号
20092666
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言語 日本語
出版国 日本
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