公衆衛生学の領域は、改訂第2版刊行後も拡大の一途をたどっている。栄養関連では、公衆衛生審議会が1999年6月に第6次改定日本人の栄養所要量を厚生大臣に答申したことが最大の"事件"である。これを受けて、食生活指針、フードガイド(アメリカでは、フードピラミッドと呼んでいる)の策定も行われている。国民栄養調査には、"案分比"が導入され、個人別食事摂取量を評価できるようになった。いわゆる栄養補助食品(dietary supplement)が、非常な勢いで国民に普及しつつある。国際的事情もあって、厚生省はこの問題に精力的に取り組んでいる。「健康日本21」の策定が行われており、1999年度中に公表される。さらに、感染症新法、介護保険制度等の法制化もなされたし、なされようとしている。マスコミをにぎわしているキーワードとして、生活習慣病、少子化問題、内分泌攪乱化学物質(環境ホルモン)等がある。改訂第3版はこのような変化に対応したものである。本書では、衛生統計学の資料も最新のものにしている。公衆衛生学の管理栄養士国家試験問題は、他の分野と異なって、「出題基準(ガイドライン)」に記載されていない内容であることも多い。ある意味では、本書は、このようなことを先取りし、国家試験をリードしようという意気込みで執筆した。したがって、平成12年度以降の管理栄養士国家試験受験者必読の書である。
「BOOKデータベース」より