歴史家がアメリカの過去をどう理解し、それを現在の中にどう位置づけるか、換言すれば、アメリカ人自身は自らのアメリカ像をどう結ぼうとしているのか。本書は、アメリカ史における保守主義研究の手薄さをいくらかでも埋めようとする、「保守主義研究のすすめ」を目指している。まず、「独占」と「国家体制」との権力関係を修正第14条解釈の変遷からたどり、そして、経済の発展を「経済憲法」シャーマン反トラスト法制定の意図から読み取る。そこには保守層の勝利が垣間見られた。「伝統的な」アメリカ価値体系への挑戦と防衛、多分節的社会アメリカのゆくえを展望する本格的研究書。
「BOOKデータベース」より