掃除、洗濯、シャワーにデオドラント…清潔文化は、いまやわたしたちの生活をあまねくおおっている。いつから人々はかくも清潔好きになったのか?本書は、清潔文化発祥の地アメリカにおける、"清潔"の社会史である。悪臭ただよう19世紀アメリカから、国民がこぞって飽くなき清潔の追求に励む清潔大国へ。それはつまるところ、中流階級の価値観の勝利であった。その過程を、女性や移民、都市と田舎、行政など、さまざまな立場の声をすくいとりつつあざやかに描き出す。膨大な文献資料に基づくアメリカ社会史の労作であり、「清潔文化」に生きるすべての人に向けて問いかける書である。
「BOOKデータベース」より