労働法制は、いま、歴史的転換の時期を迎えている。それは、技術革新の急激な進展による産業構造の変化と就労形態の多様化、さらには労働運動の再編と労働意識の変容などにより、確実に進行している。一方で労働力の一層効率的な使用を求める動きが強まり、他方で日本人の働き過ぎを見直し、労働者の労働条件・生活条件を総合的に向上させるべきことが強く求められている。本書は、このような背景の中で複雑さを増しているわが国の現行労働法制の概要と、これまで形成されてきた労働法理の到達点を明らかにし、今後の発展の方向を探る。
「BOOKデータベース」より