本書は、ニューラルネットを回路でつくるとどのようなおもしろい機能や現象が生まれるかということを意識して書かれたものである。ここでの回路とは非線形回路であって、おもに非線形状態方程式で表現される小規模なアナログ回路のことであるが、時間きざみ幅hを含まない離散時間系のディジタル(あるいは、スイッチング)回路も対象にしている。前半は、ニューロン回路の構成、ニューロン回路の非線形現象、協調の回路によって得られた情報から競合の回路で他の情報を抑制し、最も確からしい情報を選ぶ協調競合回路、空間的な量子化器、最大値検出回路のダイナミクス、そして学習や連想のダイナミクスについて、非発振型ニューロンによるネットと発振型ニューロン(ヒステリシスセル)によるネットに分けて記述。後半は、局所的に配列された各セルの状態がその近傍のセルの状態から決められるセルラニューラルネット(CNN)のダイナミクスとその情報処理について記述している。
「BOOKデータベース」より