"政治神学""友と敵""決断""例外状況""代表"-第1次世界大戦によって精神的・政治的混乱に陥ったドイツを救済すべくシュミットが決死の努力を傾注して紡ぎ出した思想は、カトリックの秩序原理を導きの糸としていた。本書は、カール・シュミットの政治思想の特質を、彼の諸著作の徹底的な検証や他のカトリック知識人との比較考察を通して明らかにしたものである。近代合理主義・個人主義をプロテスタンティズムの産物と見做し、カトリシズムの教会論や終末論に依拠して痛烈に批判しつつも、遂に世俗化の犠牲となり、超越の契機を失い、ナショナリズムそしてナチズムと妥協していくシュミットの思考のプロセスが、克明かつ鮮やかに描き出される。
「BOOKデータベース」より
博士論文;博士論文
「国立国会図書館デジタルコレクション」より