1960年の前著は、中国庶民文化の宗教社会史的要素である民衆道教の経典としての善書について、綜合的に研究したものである。扱った時代は宋代から明末清初までを主としていた。以後、著者の善書の研究はさらに進み、時代の上では清代より現代に至るまで、善書文化伝播の地域の上では、中国から周辺諸国に及んだ。善書の多様化、善書作成の仕組、形式の変化-善書文化をささえる社会的集団-結社の多様化等々清代から現代にかけての新しい善書関係の諸問題についても研究した。旧著の内容についても各部分で増補を加えた。こうして増補中国善書の研究上・下二巻を刊行することになった。
「BOOKデータベース」より
本書では、上巻につづいて明末清初以後、清末に至るまでの中国善書にかかわる諸問題を論じ、善書文化の日本・朝鮮等、中国周辺諸国への伝播について論及した。
「BOOKデータベース」より