わが国では生涯結婚しない男女が増えてきた。離婚も増え続けている。一方で、婚前性交渉も当たり前になったし、少女の「援助交際」がマスコミを賑わす。われわれはいま、旧来の性倫理や結婚という社会システムが音をたてて変化するさまを目の当たりにしている。こうした文化的な変容に翻弄されないためには、人間の性の生物学的な実態を正しく知って対処する必要があるだろう。本書では、様々な民族の様々な男女の性にまつわる多くの複雑な現象を述べるとともに、それをヒトの親戚ともいうべき"サル"という鏡に映し出すことによって、「人間にとって性とはなにか」というテーマに鋭く迫る。
「BOOKデータベース」より