本書の読者の対象としては、はじめてミクロ経済学を学ぶ諸君を考え、とくに経済学についての予備知識を持たなくとも、本書の内容を良く理解できるように、できるだけ、やさしく、丁寧に説明するように心がけた。最近のミクロ経済学の特徴の一つつは、「ゲーム理論」や「情報・不確実性の理論」が経済現象を解明するのに不可欠な道具として次第にミクロ経済学の中に取り入れられ、不完全競争市場や、不確実性の存在する市場の理論を大きく発展させたことである。本書では、基礎概念(キーワード)を、数学を用いないで、グラフや例によりやさしく説明している。また、不完全競争の理論は、ゲーム理論の一応用分野として、また寡占企業等の行動の特徴を分析する理論として近年著しく発展しているが、本書では、最近のトピックスもたくさん取りあげた丁寧な解説がされている。
「BOOKデータベース」より