明治の中期-四国、九州を含め西日本の各地や近畿、北陸から「広い土地」にあこがれ一家をあげて船に乗り北海道へ渡った人びと。その原生林の「土地」とともに、「銃」をも与えられた開拓民を「屯田兵」といい、村を「屯田兵村」といった。その「兵村」番外地の<寺>の一つに「屯田3世」として育った著者が幼時から親しんだ古老の語りにみちびかれつつ新たに証言をとり史料・文献をたずね屯田兵と兵村の実像にせまる…。開拓時代を知る「2世」たちの殆どが世を去ったいま、日本の近代を支えたもう一つの民衆史が浮かび上がる。
「BOOKデータベース」より