人間は身体的・精神的存在であると同時に社会的存在でもあって、精神疾患も社会状況と密接に関連し合っている。そのなかで中学生のいじめや登校拒否、高校生の不食症や非行も、時代の疾患として登場してきた。児童青年精神医学のトピックスを網羅した本書は、その時代の要請に応えるべく企画編集された。さまざまな病態に臨床家が適切に対処するための指針となることをめざして、第一線の現場にある名古屋大学のグループが症例を中心に、その時代的意義、診断、病因、治療、予後、予防を具体的に述べている。
「BOOKデータベース」より