19世紀末のアメリカ合衆国。白人たちの「フロンティア」は西へ進行し、先住民たるインディアンのほとんどはいまや支配下におかれていた。旧来の生活様式を失い、不公正な行政に苦しむ彼らのあいだに、このとき一つの宗教が生まれる。やがてメシアが到来して、死んだ祖先たちを甦らせこの世を楽園として再生してくれる、その実現のためには、儀礼をおこない全員で踊りつづけなければならない-このような千年王国的な信念に支えられた宗教運動が、「ゴースト・ダンス」である。この運動がどのように展開したが、白人とのあいだにどんな軋轢をうんだかを、著者ムーニーは細胞の観察と綿密な取材調査にもとづいていきいきと描き出していく。
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