本書に収めた論稿は、2篇を除き、いずれも70年代から80年代にかけての経済的・政治的・社会的激動期における変動現象の解明に努めたものばかりである。ここで取り上げられた変動は、その性格も、方向も、規模もきわめて多岐にわたり、けっして一様ではない。にもかかわらず、これらの変動が社会の基底部にまで達するものであり、従来の政治パラダイムでは把握不可能だという想いも強烈である。本巻ではこの便の事情をしっかりと見据えながら、それぞれの社会における変動の実態と意識の確定に自己限定したものだけを集めた。
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