わが国電子産業は現在大きな転機にさしかかっている。特にその対外直接投資ないし海外現地生産は1985年秋以来の急激な円高の下で急進展を示し、一部ではわが国電子産業の「空洞化」さえ話題になっている。本書はこの新局面にはほとんどふれえなかったが、その前夜の日本電子産業の海外進出状況の調査研究報告とでもいうべきものである。米国、欧州、アジア、オーストラリアそれぞれにおける日本電子企業の活動や経験と、一部では現地電子産業の状況が分析されており、最後の章では一日本企業の米欧日の3工場の比較調査報告がなされている。
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