日本の「学力不足」が問われて10年。授業時間を増やし、全国学力テストを実施し、基礎学力の習得に取り組み、新しいカリキュラムを作成した。2009年の国際学力調査PISAでは、学力低下に歯止めがかかったといわれるが、その実感は薄い。拡がる格差社会がもたらす歪みが学校教育に大きな影を落とし、教育の危機的状況は止まらない。新学習指導要領で解決がつくのだろうか。そもそも「学力」とは何だろう?PISAの上位を占め続けるフィンランドと日本やアジアの国々とのちがいは何か。カリキュラム、教科書、通知表、授業内容、進学状況、教師の待遇、教育行政の実際など具体例を豊富なデータとともに検証。日本の「学び」の弱点を分析し、世界で求められている「学力」とは何かを問い直し、日本がめざすべき「未来の学力」を提言する。
「BOOKデータベース」より