カミ観念と霊魂観というふたつの他界観はいつ、どのように創られたものか。学問的な手続きを経ずに「呪術的」「祭祀的」とされてきた弥生・古墳時代の遺跡・遺物や、「首長霊継承儀礼の場」とされてきた前方後円墳、死後に向かうとされる海上他界観など、先験的に無批判に唱えられてきた通説を見直し、膨大な考古資料のなかに人間の本質としての観念の営為をたどることで、古代人の心性に迫るあらたな論理を構築。観念領域をどう歴史化していくかという、考古学的方法の挑戦的な命題に指針を示す画期的な論考。
「BOOKデータベース」より