大量破壊兵器(WMD)委員会は、元IAEA事務局長、ハンス・ブリクス氏が率いる、独立した国際委員会で、世界各地域の14人の専門家からなる。WMD委員会は、2年余をかけて、核・生物・化学兵器についての現状を調査し、各国政府、国際機関、NGOに行動を呼びかける提言をまとめた。2006年6月、アナン国連事務総長に提出された報告書が本書である。この10年間、軍縮・不拡散の勢いは危険なまでに失われ、拡散の新たな波が起こりつつある。いま私たちは核兵器のない世界にともに進むのか、多数の核兵器の存在する世界に歩調を乱して進むのか、岐路に立っている。
「BOOKデータベース」より