20世紀初頭に西本願寺、1988年に長崎・本光寺で見つかった二つの「混一疆理歴代国都之図」。朝鮮王朝が絶えず中国地図の入手に腐心し改訂版を作りつづけた理由は何なのか、さらにはこれら一連の地図は日本にいったいいつ到来したのか、日本でどのような意味をもったのか。本巻は、これらの疑問をひとつひとつ解決しながら「混一図」系の複数の世界図ができるまでの過程をなぞるとともに、とうじ中国、朝鮮、日本の王侯貴族、僧侶たちに共有されていた「知」のありようと、地図を権力の象徴、道具として用いた各王朝の政治的事情を描く。
「BOOKデータベース」より