敗者の戦後

入江隆則 著

戦争は、一応の戦後処理が終わった後にも、その後の歴史に大きな、かつ持続的な影響を与えずにはおかない。しかも敗者の場合には、しばしば<勝者=正義、敗者=悪>という勝者による事後の正当化が加わるために、「戦後」の克服はいっそう難しい。私たちがまさに「戦犯裁判」や「靖国問題」などで体験しつつあるように、過去(=戦後)が現在を支配し続けているのである。ナポレオン戦争の敗者フランス、第一次大戦の敗者ドイツのそれぞれの戦後を、日本の場合と比較し、矛盾と混乱に満ちた「戦後」という特殊な時代を整除し「普遍化」する文明史の画期的な試み。

「BOOKデータベース」より

[目次]

  • プロローグ-戦後を評価する基準
  • 第1部 ナポレオン戦争とその敗者フランスの戦後(ナポレオン戦争の新しさ
  • 戦後処理の貴族的伝統
  • 正統性の不在
  • 堕落の開始=十九世紀)
  • 第2部 第一次世界大戦とその敗者ドイツの戦後(大衆の欲した戦争
  • 国家総力戦の破局
  • 史上最悪の戦後?
  • ワイマール版・戦後の克服)
  • 第3部 大東亜戦争とその敗者日本の戦後(正戦論の陥穽
  • 日本の近代戦争の本質
  • 共存か対決か
  • 真珠湾とポツダムの間
  • 第三の戦後=思想改造
  • 勝者のジレンマと勝敗の収支決算)

「BOOKデータベース」より

この本の情報

書名 敗者の戦後
著作者等 入江 隆則
書名ヨミ ハイシャ ノ センゴ
シリーズ名 ちくま学芸文庫
出版元 筑摩書房
刊行年月 2007.6
ページ数 492p
大きさ 15cm
ISBN 978-4-480-09067-6
NCID BA82099091
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全国書誌番号
21263813
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言語 日本語
出版国 日本
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