近代的で上品な話芸で、漫才の最高峰と評価される夢路いとし・喜味こいし。その演目には、『交通巡査』『もしもし鈴木さん』『ジンギスカン料理』など、いつまでも色あせないものが数多くある。本書には、その中から選び抜いた一四編の速記を、喜味こいしの解説とともに収める。練り上げられた円熟のしゃべくり芸は、読み物としても面白く、まさに漫才の古典ともいうべき名作揃いである。織田正吉、高垣伸博、戸田学による「いとこい論」と、ゆかりの深い文化人から寄せられたエッセイもあわせて収録し、いとし・こいしの芸の真髄、人柄の魅力を、さまざまな角度から解き明かす。
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