朝鮮戦争以来北の強固な軍事体制に直接対峙しつつ、駐留アメリカ軍の影響下、李承晩、朴正煕、全斗煥らによって繰り返し出現した軍事独裁政権の変転を権威主義体制の制度化の失敗の過程として位置づけ、この半世紀間の韓国政治の変動をトータルに捉えなおす。日本語版刊行にあたり「文民政府の民主化改革と水平的政権交代」の一章を加え、金泳三文民政府の樹立から金大中の「国民の政府」成立にまで言及しつつ、民主化へのダイナミックな変化を分析する。伝統的な行動科学主義=構造機能主義的アプローチからマルクス主義の分析視角までを採り入れた幅広い視野から、権威主義体制から民主主義体制への苦難の道を跡づける。
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