1993〜1945年、ヒトラー支配の時代12年に限り、告白教会の成立に始まって、第二次世界大戦に及ぶバルトの戦いを、特にナチスの最大の犯罪、ユダヤ人問題に焦点を合わせて、徹底的に追究する。バルトは、ひたすら神の言葉のみに聴従する「今日の神学的実存」を貫徹しながら、ナチズムとその誘惑に傾く教会を相手どって、全身全霊を傾けて戦う。そこから、教会のユダヤ人との共生を生み出す「イスラエルの神学」をはじめ、バルト神学の全体像が鮮やかに深化発展を遂げていく。その戦いの道程を、膨大かつ詳細な資料を駆使して、ダイナミックに描く。
「BOOKデータベース」より