生態人類学は、他の諸人類学とどこが違うのだろうか?一つは、今や文化人類学が突き放してしまったかのような、精密な民族誌-長期にわたる精緻なフィールドワーク-を通して、人々の生活を、その細かな襞にいたるまで記録することにある。そして二つ目は、そのフィールドを、あくまで「周辺」に求めるところにある。自然と関わり合って暮らす生き物としてのヒトの姿にこそ、人間社会の本質が見えると信じるからである。気鋭の若手研究者たちが「遠きところにこそ核心がある」とする生態人類学のエートスを示す。
「BOOKデータベース」より