本書の前半では、「農業交渉の現段階」を焦点に、日本をはじめとする主要国・地域(アメリカ、EU、ケアンズ・グループ、途上国)の交渉提案の特徴とその交渉ポジションを明らかにする。また、多面的機能にかかわって、OECDの多面的機能レポートとフランスの経営国土契約の内容と意義をも解明する。後半では、「日本における多面的機能の維持・増進への実践」をテーマとし、日本における多面的機能、WTO農業交渉のなかの多面的機能を踏まえ、中山間地域・直接支払制度、生消連携、ファーマーズ・マーケットを取り上げている。さらに、WTO交渉に直接の関係はないが、WTO協定にかかわるセーフガード問題を、発動をめぐる状況と野菜生産の課題を提示している。
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