「国家の政治はその国民の風俗習慣にきわめて大きな影響を及ぼす」という書き出しで始まる本書は、貴重書として邦訳が待たれていた。著者メイラン(1785‐1831)はバタヒィアで財務検査官を勤め、1826(文政9)年に出島のオランダ商館長になり、日本に関するこの素描記録をアムステルダムで出版した。その内容は政治・宗教・民族・言語・美術・技術・産業等の詳細な調査をして記述している。時代は1828年にシーボルト事件が起こり、オランダ貿易が心配されるなか、メイランは事件の解決に尽力し、日蘭関係の変化していく時期であった(1830年刊)。
「BOOKデータベース」より