われわれは、コントやマルクスの「普遍史的な」「発展法則」を比較検討することにより、とりわけ、ある程度の一般的な妥当性を有する、特定の「発展に関するモデル」-特定の発展構成-を抽出することができるであろう。本書では、このような発展構成の抽出とその論理的精密化に焦点を合わせつつ、両者の「普遍史的な」「発展法則」を比較検討してみる。そして、まず、このようにして得られた発展構成-「コント=マルクス型発展モデル」-の一般的な意義と限界を確認した上で、次にさらに、われわれが特に今日的な史的人類像を描かんと試みるとき、このような発展構成が、特にどのような意義と限界を持つか、を見る。
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