本書はインナーシティの社会病理を赤裸々に明らかにした上で、これまでインナーシティの状態を改善するために取られてきた、人種の如何をとくに重視する政策に代えて、経済制度を含む広範な社会組織の問題を射程に入れた政策が必要であると論じている。そして人種の如何を問わず、たとえ恵まれた状態にある人でも積極的に参加できるようなプログラムを作ることで、ゲットーのアンダークラスのような本当に不利な立場に置かれた人々のライフ・チャンスを広げるという、社会民主主義的な公共政策を前進させることができると結論づけている。
「BOOKデータベース」より