本書は、今世紀初頭のウェーバーから現在のフランクフルト学派に至るドイツ社会哲学の思想史的展開のなかで、ルカーチ(一八八五〜一九七一)が占める独自の位置と意義を探究する。ウェーバーの仕事の批判的継承関係のうちに形成された初期の思想、そしてファシズムやスターリン時代の後、フランクフルト学派との競合関係のうちに再構成されようとした晩年の思想に研究の焦点が置かれ、ウェーバー、フランクフルト学派に関するこれまでの諸研究の欠落部分を補完することが意図されるとともに、そのうえでルカーチの弁証法思想が何を継承されるべき遺産として、そして何を未決の課題として残しているのか、を解明する。
「BOOKデータベース」より
博士論文;博士論文
「国立国会図書館デジタルコレクション」より